第403話『ピンチでチャンスを拾う』-【今年周年のレジェンド篇】ポール・ゴーガン- - a podcast by TOKYO FM

from 2023-05-20T18:27

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今年没後120年を迎える、後期印象派の巨匠がいます。

ポール・ゴーガン。

長らく、ゴーギャンという呼び方が定着していましたが、最近の美術展、書物は、よりフランス語表記に近い、ゴーガンを採用しています。

6月11日まで、東京上野公園の国立西洋美術館において開催中の「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」で出色のゴーガンの絵画が、12点展示されています。

ゴーガンというと、タヒチでの作家活動が有名ですが、実は、ブルターニュ地方のポン=タヴェンこそが、彼独自の絵画を確立した、大切な場所なのです。

ブルターニュで彼が見つけたもの、それは、「野生とプリミティヴ」。

深い信仰に裏打ちされた、素朴な心を持つ現地の人々に、ゴーガンは、人間の根源を見ます。

印象派を取り入れ、自身のオリジナリティに悩んでいた彼にとって、一生を賭けても足りない、壮大なテーマがそこにあったのです。

ゴーガンの人生は、混迷と苦難の連続でした。

パリ株式取引所に就職、家庭を持ち、平穏で満ち足りた生活をしていましたが、やがて絵画に興味を持つ。

世界恐慌を機に、妻の反対を押し切り、絵だけで生きていこうと決意。

しかし、現実はうまくはいきません。

貧困の中、妻は子どもを連れ、コペンハーゲンの実家に帰ってしまいます。

経済的にも精神的にも追い詰められていく、ゴーガン。

それでも、絵を画くことは諦めませんでした。

彼を襲うピンチの数々。

そんなときこそゴーガンは、大好きな絵に立ち戻り、あらたな画風を身に着けていったのです。

晩年、彼はこんなふうに語っています。

「苦しいときは、自分よりもっとつらい人間がいたことを考えればいい。

若者よ、人生は君が思うほど長くない。

人生の長さは一秒にも満たないのだ。

その僅かな時間に永遠に向けての準備をしなければならない!」

波乱万丈の一生を送りながら、唯一無二の作品を後世に残したレジェンド、ポール・ゴーガンが人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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