第411話『無欲に学び続ける』-【医学の発展に貢献したレジェンド篇】ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン- - a podcast by TOKYO FM

from 2023-07-15T18:27

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1895年にX線を発見し、第一回ノーベル物理学賞を受賞した、科学者のレジェンドがいます。

ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン。

第一次世界大戦によって傷ついた多くの兵士たちは、いわゆるレントゲン写真のおかげで、死をまぬがれました。

そして、発見から130年近く経った今も、X線によって救われている命があるのです。



医療の現場にここまでX線が広まった理由には、レントゲンの「無欲」があります。

彼は、X線を発見したとき、新聞記者に聞かれました。

「特許を申請されますよね? あなたは、大富豪になれます!」

しかし、彼はこう答えたのです。

「いいえ、特許など必要ありません。

そもそも、私がX線を発明したわけではないのです。

X線は、ただただ、そこにあったのですから。

これから、X線を研究したいと思う科学者、X線装置を作りたいと思う学者には、喜んで、私の実験資料を提供いたします。

私は、自分の研究を独占したいなどとはいっさい思わないのです」

そんなレントゲンの言葉に、嘘はありません。

彼は、ひたすら実験し、探究し、おのれの仮説を確かめたかったのです。

大金持ちになるより、名誉を得るより、自分がやった仕事に誇りと充実感を持つことができるか。

そこに幸せの秘密があると、レントゲンは知っていたのです。

また彼は、こんな言葉も残しています。

「いいですか、若い学生たちよ。

その仕事があなたに向いているかどうかは、人生の後半になってみないとわかりません。

だから、どんどん試せばいい。探せばいい。

必ず、見つかります。あなたにふさわしい仕事が」

若い頃に苦難を味わった彼だからこそ、そう言えたのです。

「無欲のひと」と称えられた伝説の物理学者、ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲンが人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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