第419話『自らの自由を守る』-【文学に革命をもたらしたレジェンド篇】ジョージ・オーウェル- - a podcast by TOKYO FM
from 2023-09-09T18:27
今も読み継がれているディストピア小説『1984年』の作者で、今年生誕120年を迎えるレジェンドがいます。
ジョージ・オーウェル。
本名は、エリック・アーサー・ブレア。
イギリス植民地時代のインドに生まれた彼は、誰も書いたことのない、未来の預言書をこの世に送り出しました。
衝撃作『1984年』は、こんなストーリーです。
1950年代に核戦争が起こり、世界は、オセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つに分断。
三国は、常に戦争状態にありました。
物語の主人公、ウィンストン・スミスは、オセアニアの真理省に勤務。
「過去のデータの改ざん」を仕事にしています。
オセアニアは、ビッグ・ブラザーと呼ばれる独裁者に支配された全体国家。
市民の思想や言動、教育も厳しく統制されています。
街中に設置された巨大なテレスクリーンが、24時間、人々を監視しているのです。
スミスは、過去のある新聞記事を見つけたことから、社会、政府への疑念を抱きます。
彼は、政府の目を盗み、反逆ともいえる「日記」をつけ始め、日常が大きく傾いていくのです…。
報道の捏造や、増え続ける監視カメラ、さらに今も続く戦争。
今から74年前に書かれた小説が、現実のものとして、私たちに迫ってきます。
小説『1984年』は、多くの芸術家、文化人に影響を与え続けてきました。
デヴィッド・ボウイは、この小説にインスパイアを受け、アルバム『ダイアモンドの犬』をリリース。
『1984年』という曲も発表しています。
ジョージ・オーウェルがこの小説を書いたのは、45歳のとき。
亡くなる1年前のことです。
出版後、彼はこんな言葉を残しています。
「私の描いた社会が、必ず出現するとは思いません。
ですが、おそらく出現すると思っています」
未来を予感し、自由と平等を奪われた世界の恐ろしさを描いた賢人、ジョージ・オーウェルが人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
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